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大学院 文学研究科

修士課程カリキュラム

博士(後期)課程カリキュラム


日本文化専攻-修士課程カリキュラム

日本文化専攻修士課程は、「日本文学」と「歴史・文化」の二分野を柱としています。 これは、日本人の心の遺産を、もっとも豊かにとどめている「日本文学」及び「歴史・文化」の特性と歴史的背景を掘り下げることが、日本文化の理解のために不可欠である、という判断によるものです。

特に、北海道にあって日本文化を学ぶためには、北海道の地域的特性を無視するわけにはいきません。「日本固有の文化」といっても、異文化の洗礼を受けながら、積極的に形作られてきたことを考慮する必要があります。そのため北方関係史、北方民族交流史、アイヌ文化論など、北海道ならではの視点もとりいれることにしました。これによって、日本固有の文化について学ぶだけではなく、北海道をとりまく国際状況や文化の現状をふまえ、北海道から日本へ、北海道から世界への展望が可能となるはずです。

授業科目はそれぞれの専攻分野ごとに、古代から現代への歴史的展望が可能となっていますが、学生の多様な研究ニーズに対応できるよう、研究分野相互の協力を強化し、修士論文の作成にあたっても緊密な指導力が発揮できるような体制を整えています。そこに、日本文化専攻の基本的特色があります。

【日本文学科目】 平成24年度開講科目
開講科目 講義内容
日本文学特殊講義I 記紀歌謡や万葉集の歌を読むことによって、日本文学の持つ根源的な問題を考え、最古の歌集としての万葉集について考える。
日本文学特殊講義演習IA・IB 1年次は大伴家内における家持と坂上郎女の歌を中心に、2年次は大伴家氏上あるいは官人として生きながら、歌人として成長をとげる家持の歌を中心によむ。
日本文学特殊講義II 前期は、明治期の国民国家形成の過程を、おもに「うた」を素材に考察する。後期は被占領期を経て、前衛短歌運動が結実するまでの短歌史を考察する。
日本文学特殊講義演習ⅡA・ⅡB 前半では近代短歌における「叛逆と異端」のエネルギーを考察し、後半では、敗戦、被占領期を経て、前衛短歌運動が結実するまでの短歌史を考察する。
日本文学特殊講義IV 宮沢賢治と村上春樹をテーマとして取り上げ、それぞれの主要な作品を読み解くことより、日本近代・現代文学の方法論的な研究の仕方を習得する。
比較文学特殊講義I 日本においての西洋の文化や価値観が受容される際に見られる模倣・従属・変容・差異・抵抗といった諸現象について、文学テキストの分析を通じて解明を試みる。
比較文学特殊講義演習IA・IB 比較文学研究の基礎的な訓練・演習を通じて、研究の能力を養成する。日本近現代文学(小説を中心に)作品について分析・解読の演習、複数の国家・民族・言語の作品分析と比較を試みる。
比較文学特殊講義II 清末「科学小説」の誕生に明治期日本の出版が及ぼした影響を、個々の作品を通じて探り、魯迅の作品を素材に受容する側の事情や論理についても検討する。
比較文学特殊講義演習ⅡA・ⅡB 「支那通」井上紅梅の著作中から、大量に隠された中国語文献材料を摘出する過程で、著書井上自身の肉声を洗い出し、彼の中国理解の本質に迫る。魯迅訳『月界旅行』を、底本となった日本語原訳本と比較・対象しながら読むことにより、若き清国留学生が翻訳の中に込めた意味を探る。
表象文化論特殊講義 映画を〈表象〉としてのみ捉える還元主義的態度を警戒しつつ、映画の〈表象〉としての具体的なありさまを理論的に解明することを目指す。
表象文化論特殊講義演習A・B Aでは、映画を具体例として取り上げながら、「表象」への理解を理論的テクストを読み込むことで深めてゆく。Bでは「表象」に関する修士論文を執筆するために必要なスキルを身につけ、実際いに修士論文を仕上げてゆく。
日本言語文化特殊講義I 日本語研究史上大きな役割を果たした英語系西洋人の日本語文法書・日本語教本の講読を通じて、外国語から見た日本語の特徴を探る。
日本言語文化特殊講義演習IA・IB 前半で外国語としての日本語学習及び語学習得研究の基本的論理を考察し、後半では日本語学習者への効果的日本語教育の方法の体系化と教材開発を試みる。
日本言語文化特殊講義II 前半は現代日本語を文法的に考えるための基礎的知識と分析力を身につけることを目指し、後半は日本語の現況と日本言語文化の多様性を考察する。
日本言語文化特殊講義III 古代から現代までの日本語について、文字・表記、音韻、文法、文体、語彙などの点からその変遷と原理を探究していく。
日本言語文化特殊講義演習ⅢA・ⅢB 現代日本語の原流である文献の古写本を丹念に読み込むことで、活字本として「翻訳」されてしまった現代の資料では隠されている事象を解明していく。前半は漢字主文献を取り上げ、後半は仮名文資料を扱う予定。
日本言語文化特殊講義Ⅳ 前半では、言語接触という観点から主に日本語・中国語・韓国語における語彙・構文等における相互の関係を扱い、後半では、韓日辞典、日韓辞典の編集作業を通して辞書編纂とはどうあるべきかについて考えてみる。

【歴史・文化科目】 平成24年度開講科目
開講科目 講義内容
日本歴史文化特殊講義I 今日の鎌倉仏教論の枠組みに影響を与えた諸研究を取り上げ、各論者の課題意識や取り上げた対象などを確認し、史学史的意味・通説的理解との関連・課題を検討する。
日本歴史文化特殊講義演習IA・IB 鎌倉仏教の祖師たちの著作の講読を通じて、鎌倉仏教の諸課題を検討し、併せて中世宗教の意義を問う。
日本歴史文化特殊講義II 禅宗の成立過程を社会的背景を考慮しながら究明し、浄土教中心史観によって構築された鎌倉新仏教の再構築を試みる。
日本歴史文化特殊講義演習IIA・IIB 十二巻本『正法眼蔵』の研究史を整理し、七十五巻本と比較検討し、『正法眼蔵』の性格を明らかにする。
日本歴史文化特殊講義III 日本近代史をネイションの形成という観点から検証する。日本の近代国家は自己の歴史的伝統に根ざした「国民文化」を創出しえたのか。この問いに対する解答を日本近代史に見出したい。
日本歴史文化特殊講義演習IIIA・IIIB 受講生各人が、自己の研究課題を「国民国家の構図」に位置づけて検証する作業を行うとともに、日本の近代国家が試みた各時代の戦争を生活の場から検証すべく、民衆の資料を読み解く作業を行う。
北方文化論特殊講義I 近代北海道を貫く移住論を中心に近代北海道の問題を探っていく。移住史資料を通し、移住の過程、プロセスを見ながら移住団の抱えていた問題と北海道の状況を考える。
アイヌ文化論特殊講義 アイヌ文化の実証個別的な研究を、他の先住民の生活様式や国家政策との関連で世界の民族誌のなかに位置づけ、その異同を探ることを最終的な目的とする。
アイヌ文化論特殊講義演習A・B 日本列島の北部地域に展開してきたアイヌ文化を対象に、歴史人類学的なアプローチを適用しながら、本質主義的な文化論が横行する現状を批判的に詳察する。
アジア文化論特殊講義I マレーシア半島部に暮らす先住民オランアスリ諸集団の歴史をたどり、開発計画とオランアスリをめぐる政治が、彼らの資源利用にどのような影響を与えてきたのかを学び、現代社会における少数民族と開発の関係を考える。
アジア文化論特殊講義演習IA・IB 文化人類学及び生態人類学の歴史と理論を学びながら、修士論文作成のための調査研究方法の検討とテーマの選択を行う。
アジア文化論特殊講義II 韓国の精神文化が民間信仰や民俗の中に溶け込まれ、韓国人の情緒や感性の根幹となる諦念へと浄化して行く過程を文化史的に展望し、現代文明の中での韓国文化の特徴と将来への可能性を探る。

【履修方法及び修了要件】
  • 修士課程の履修に先立ち、学生の研究テーマを入試出願時に「志望理由書」等によって確認し、研究科委員会において研究指導教員を決定します。
  • 学生は研究指導教員の助言を受け、研究目的の達成にふさわしい科目選定を行います。
  • 修了要件は、2年間の標準修業年限内において、研究指導教員の特殊講義4単位、同特殊講義演習8単位とこれら以外の選択科目20単位、合計32単位以上修得し、かつ修士論文審査及び試験に合格することが必要となります。

【修士論文の指導体制】
<1年次>
  • 修士課程の履修に先立ち、学生の研究テーマを入試出願時に「志望理由書」等によって確認し、研究科委員会において研究指導教員を決定します。
  • 学生は研究指導教員の助言を受け、研究目的の達成にふさわしい科目選定を行います。
  • 修了要件は、2年間の標準修業年限内において、研究指導教員の特殊講義4単位、同特殊講義演習8単位とこれら以外の選択科目20単位、合計32単位以上修得し、かつ修士論文審査及び試験に合格することが必要となります。

<2年次>
  • 新学期始めに主・副指導教員との相談のうえ、修論のテーマを絞り込みます。
  • 7月頃全体ゼミの場で修論の構想発表を行います。
  • 7月以降秋に掛けて主・副指導教員を交えて定期的な論文指導会を持ちます。
  • 1月初旬に修論を提出します。

【夜間開講制】
大学院 文学研究科では、原則として6講目(17:50〜19:20)と7講目(19:30〜21:00)に授業が行われるため、夜間にしか受講できない学生でも、修了要件を満たす単位の修得が可能です。

【社会人の積極的な受け入れ】
  • 働きながら大学院で学ぼうとする人を応援するため、大学院 文学研究科では、上記の夜間開講制のほか、社会人特例受験の入学者には次のような「社会人特例制度」を積極的に導入しています。

  • 入学金・授業料等が一般受験者の半額になります。
  • 職業を有している等の事情により2年の標準修業年限を超えて、3年間で計画的に教育過程を履修することを認める場合があります(「長期履修制度」)。
    この制度の適用が認められると、2年間分の授業料等を3年間で分割納入することになります。
    なお、この3年の期間を短縮(2年)する場合には、所定の期日までに手続きを経ることで認められることもあります。

  • 社会人特例受験の資格については、大学4年生の現役受験等でも適用される場合がありますので、大学院 文学研究科までお問合せ下さい。

【教育職員専修免許状(国語・地理歴史)の取得について】
すでに、中学校教諭1種(1級普通)免許状・高等学校教諭1種(2級普通)免許状を取得している者、又は所要資格を有している者、上級免許状への切替を希望する者で、本大学院修士課程において基礎資格をえるとともに、教育職員免許法及び同法施行規則に定める所要単位を修得した者は、中学校教諭専修免許状及び高等学校教諭専修免許状(国語)、高等学校教諭専修免許状(地理歴史)授与の所要資格を得ることができます。

【修了者に授与される学位】
修士課程において所定の単位を修得し、学位論文の審査を合格した者に、修士(文学)の学位が授与されます。