学部案内

学部長からのご挨拶

「辺境」からの視点 人文学部長 大森一輝

 北海学園大学人文学部では、言語・文学のみならず、思想・歴史・環境を含め、日本や欧米の文化を幅広く学ぶことができます。「伝統的」な人文学を愚直に実践しているという意味で、北海道内の私立大学の中ではユニークな存在であると自負しています。

 さらに、道外の大学と比べたときのアドバンテージは、私たちが「辺境」にいることです。ここでは、「日本文化」を自明の前提にすることができません。この土地が「日本」になった時期も経緯も本州・四国・九州とは大きく異なり、古典文学で描かれる世界とは風土がまったく違うからです。「日本文化」とは何か、どのようなバリエーションがあるのか、という問いを出発点にしなければ、自分たちは何者なのかを考えられないのです。

 同じようなことは海外との関係でも言えます。私たちが国境を挟んで接している隣国はロシアです。来道する外国人観光客の半数以上は中国語を話す人たちです。そういう中で英語を勉強するのなら、英語が「国際共通語」になった来歴と現状を知り、「ネイティブ」に憧れるのではなく、何のために・どのような英語を身につけるべきなのかを考えなければならないでしょう。

 人文学は人間のあり方を追究する学問です。学生のみなさんには、人類共通の普遍的な「人間性」だけでなく、さまざまな時代や地域を生きた個々の「人間」に注目してもらいたいと思います。特に、「周辺」に追いやられた人々の経験から社会を見つめ直す、そういう感性を、北海道の過去・現在・未来をふまえながら、自覚的に養ってください。

 そうすることが、集団間に序列をつけ自分たちだけがよければいいのだという「〜ファースト」という思考法を乗り越え、誰もが豊かで自由に生きられる世の中を構想するための力になるはずです。