学部案内

人文学部の理念

人文学部で学ぶあなたへ

 人文学部は、平成5(1993)年に、「北の大地における新しい人文学の創成」を基本理念として開設された比較的若い学部ですが、すでに20年を超える歴史を有し、北海学園大学におけるリベラル・アーツ教育を担う牙城としての役割を果たすまでになっています。その間に、数多くの有為な卒業生を輩出し、その多くが学生時代に培った論理的に思考する力、分析する力、表現する力、構成する力などを駆使し多方面で活躍をしています。

 人文学部には日本文化学科と英米文化学科がありますが、展開されるカリキュラムには「言語文化」「思想文化」「歴史文化」「環境文化」という4つの共通する科目群が設定されています。学生は、自らの知的関心に応じて、所属する学科を越えた幅広い学びも可能となるような科目編成になっています。

 人文学は、人文学部の英語表記(Faculty of Humanities)からもわかるように、「人間性」「人間にふさわしい教養」という語義と密接な関連性を持ち、人間の本性や人間が創り出した文化を研究対象とするものです。その切り口には、言語学、文学、哲学、宗教学、美学、歴史学、人類学などのさまざまな分野がありますが、その背景には「人間とは何か」「人間のあるべき生き方とは何か」「自分たちはどこから来て、どこに向かおうとしているのか」といった共通の問いかけがあります。本学部は、そういった根源的な問題を深く考えつつ、それぞれの専門分野での学びを通して、人間に対する深い洞察力の涵養を目指しています。

 20世紀から継承した負の遺産である環境問題や少子高齢化、さらには貧困と格差、原子力発電やテロリズムなどに関する諸問題を抱える現代社会は混沌としており、ますます混迷の度を深めています。そのような中を生き抜いていくには、実利的な知識だけでは不十分です。ややもすれば、すぐに役立つ知識ばかりが求められますが、それは現在(いま)役立つものであって、将来にわたって役立つとは限りません。「すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなる」という側面も、ままあります。真に必要とされるのは、すぐには役立たなくとも、長い目で見たときに、自分の生きる方向性を定めてくれるようなものです。人文学の学びを通して得られる人文知とは、そのような「すぐには役立たない」教養なのかもしれません。しかし、そうした深い教養に根ざした総合的な人間力こそ、複雑化した社会で生きていく上で真に求められるものです。

 人文学では、先人が取り組んできた成果を、常に現代の視点から問い直すことによって、より深化させていくことが求められます。また、その前提として、多くの文献を読む必要があります。それは単に読んで楽しむだけの読書ではなく、精密にかつ批評的にテキストを読み、行間に潜む主題や書き手の意図を読み解く、書き手とのある種のコミュニケーションでもあります。 また、グローバル化した現代においては、異文化を排除することなく、相互に理解し合い認め合うことによって、さまざまな文化と共生していくことが肝要です。自文化についての理解を深めるとともに、異文化についても広く学ばなければならない所以です。

 大学で過ごす4年間は、社会に飛び出す前の助走期間でもあります。その限られた時間の中で、学問の楽しさ(時に、苦しさ)を味わいながら、その過程で身につけた語学力、人間に関する深い洞察力やコミュニケーション力を武器にして、国内外で広く活躍することを目指して、ともに学んでいきたいものです。