日本語教員養成課程

日本語非母語話者に対する日本語教員の育成を目的に、1998年に道内大学初の日本語教員養成課程が設置されました。
本課程のカリキュラムは、言語(日本語)、外国語、社会・文化・地域、教育(教授法)の領域から構成されており、幅広い知識と基本的な教育能力を身につけることができます。
海外の大学または国内の日本語教室で日本語教育の経験を積むための実践的科目も設置されています。
課程修了者には大学卒業時に日本語教員養成課程修了証が授与されます。

受講生が課程の魅力を紹介

韓国での日本語教育実習と
日本語教員養成課程

上野 汐音

人文学部2部日本文化学科3年

私は11月11日~23日の間、韓国の大田大学で2週間の教育実習をしてきました。実習内容は、初級・中級・上級のクラスで韓国の学生を相手に日本語の授業をするというものでした。編入学で3年生から北海学園に入学した私は、日本語教育の勉強を始めてから数か月しか経っていなかったこともあり、そんな自分がいきなり50分の授業なんてできるのだろうかととても不安な気持ちでした。教案や教材を作成するのはとても大変で、授業のときは緊張で思うようにいかなかったりしましたが、大田大学の黒木了二先生や姜先生、学園大の中川先生が改善点や良かったところなど、細かく指導してくださり大変勉強になりました。また、一緒に行ったほかの6名の実習生の授業を見学し自分の授業にも取り入れたいと思う内容や、学ぶことがたくさんありました。授業以外でも、黒木先生が大田大学の学生との交流会の時間を設けてくれて、お互いのSNSを交換したり趣味の話で盛り上がったりと、とても楽しい時間を過ごしました。バディの方が放課後に繁華街やデパートに連れて行ってくれたので軽いショッピングやお土産を買うこともできました。先生方やバディの方達でご飯に行ったことも本当に良い思い出です。

私は卒業後に日本語教育に関わった仕事をしたいという思いから北海学園大学の日本文化学科に編入学をして、日本語教員養成課程を履修し、今回の大田大学での実習に参加することを決めました。今回の実習を通して、初めて日本語を教えることの難しさを知ると同時に、やりがいも多少得られたと思います。最初は不安もありましたが、想像以上に多くのことを吸収することができ、とてもいい経験をすることができたので、今ではこの実習に参加することができて本当に良かったと思っています。

日本語教師を目指して
―――韓国での日本語教育実習体験

越前 梨

人文学部1部英米文化学科3年

11月の2週間、私は韓国大田大学で日本語の教育実習をしてきました。今までの授業で50分の授業を1人で行ったことはなく、外国で日本語を教える経験はなかなか出来ないことでした。また、私は将来、韓国で日本語を教えたいと考えているため、この実習はとても貴重な経験となりました。

2週間の間で4コマの授業を担当しました。私の授業では今の日本を知ってもらいたいと思い、「ソロ活(一人で活動すること)」や「カスハラ(カスタマーハラスメント)」などといった題材を用いました。これらの授業では日本のニュース記事や動画を見たり、日本と韓国の文化を比較して話し合ったりしました。学生から「韓国ではこうする」「この部分は日本と似ている」など意見をたくさん発信してもらえたおかげで、私も韓国文化について学ぶことができ、授業をしながら学生との交流を深めることが出来ました。

またこのように今回の実習が実りあるものにできたのは、私を含め7人の実習生がお互いの授業で協力してTAに回ったり、それぞれの授業後に反省会の時間を設け、切磋琢磨した結果だと思います。また、先生方からの具体的なアドバイスも大いに役立ちました。

初めは50分の授業を1人で教えることに不安や緊張でいっぱいでしたが、交流会や授業を通して学生との距離を縮められ、授業をしていくにつれて楽しんでいる自分がいることに気づきました。また、学生からも授業が終わった後に「楽しかった」という言葉をもらった時は、実習に来て本当に良かったと思えました。今回の経験を活かして、卒業後は日本語教員として学生に日本語や日本文化にたくさん興味を持ってもらえるような楽しい授業をしたいと思います。

日本語教員養成課程は面白い!OB/OG・教員が課程の魅力を紹介

日本語教育って楽しい!

井上 みのり

済南大学外国語学院日語系専任講師

皆さんこんにちは!私は北海学園大学の学部生の時に、日本語教員養成課程の講義を通じて日本語教師という職業を初めて知りました。卒業後はアメリカの小学校で、大学院時代は姉妹校であるカナダのレスブリッジ大学で日本語インターンを経験しました。今は中国山東省にある済南大学で、日本語学科の学生に日本語を教えています。私たちが普段日本で何気なく使っている言葉、話し方、考え方などの文化そのものが、海外では実は関心を持たれていることに気が付きます。日本語や文化を教える立場でありつつ海外に勢いよく飛び込んでいく、そんな日本語教師・教育の楽しさを皆さんにも学んでほしいです。

日本語の教え方と異文化理解を学び、現場へ

竜野 征一郎

北海学園大学大学院文学研究科修士課程、星槎道都大学非常勤講師[日本語教師]

私は大学で初めて日本語教師という職業があることを知り、その仕事にとても惹かれ、日本語教員養成課程を履修しました。卒業後は日本語教師として楽しく働いています。日本語教師は日本語の授業の他に、日本に関する様々な活動も行います。在学時に養成課程で学んだことは、日々の活動の確かな基礎となっています。日本語教師として働いていると、異文化との接触で予想外の問題が起こることもあります。養成課程では日本語の教え方だけでなく、異文化の理解についても学びますので、こういった問題にも落ち着いて対応できます。日本語教師に興味がある方にはとても有用な課程ですので、ぜひ受講してもらいたいと思います。

日本語教員養成課程に関心のある方へ

中川 かず子

人文学部日本文化学科教授[日本語教員養成課程委員会・委員長]

日本語教員養成課程では、日本語教師になるための必要な科目を履修します。ただ、本課程で学べるのは教師資格の最低条件を満たすための教育内容です。言語、教育、文化・社会領域に関する課程開講科目は重要かつ必要ですが、これだけでは十分でなく、実践的な教育能力がさらに求められます。2016年度から「日本語教育特別演習」という「実習科目」が加わり、海外、国内の日本語教育現場で教育実習をする機会を提供しています。 市内のボランティア教室、海外の提携大学がその中心舞台になります。それ以外にも、希望者にはボランティア教室のTA(アシスタント教師)、提携校以外の海外の大学(これまで、英国カーディフ大学、中国雲南師範大学など)での実習を勧めています。

卒業後すぐに現場で経験を積みたいという人には、アジアの教育現場(モンゴル、タイ、ベトナムの日本語学校、高校、大学など)を紹介しています。国内外で2年以上経験すれば、専任日本語教師の職が得られやすくなります。最近では道内の地方都市に外国人「技能実習生」が増加し、受入れ団体は専任日本語教師を募集し始めており、日本語教師の需要が高まりつつあるのを感じます。関心のある皆さん、是非、頑張ってください。

その他(基礎資格・修得単位数・受講料など)

詳しい説明につきましては、大学Webサイト「日本語教員養成課程」をご覧ください。