仲松 優子

仲松 優子ナカマツ ユウコ

NAKAMATSU Yuko
英米文化学科
教授

取得学位 博士(文学)(千葉大学大学院)
担当科目 ヨーロッパ史概論II、ヨーロッパ史特論II、卒業研究
専門分野 フランス近世・近代史
研究テーマ アンシアン・レジームと呼ばれる16~18世紀から、フランス革命を経た19世紀にいたるまでの政治や社会経済、ジェンダーが研究テーマです。この時代のフランスでは、一般的には王権が強化され、革命以降は国家による中央集権化が進展すると見なされることが多いのですが、このような見解に対しては、現在さまざまな側面から批判的に検討がなされています。私がフィールドとする南フランスのラングドック地方からフランスの歴史を眺めると、こうした中央集権化されたフランスという枠組みではとらえられない、社会のあり様が見えてきます。また、近年、研究が大きく進展してきた女性史やジェンダー史の視点で、フランスの歴史をとらえなおしてみると、これまで提示されてきたフランスの歴史像の限界も明らかになります。アンシアン・レジーム期からフランス革命を経た19世紀にかけて、フランス社会の権力秩序やジェンダー秩序、そしてこれを大きく規定する経済構造は、どのようなものであり、どう変化したのか、あるいは持続したのか、こうした問題に取り組んでいます。
おすすめの一冊 ジョーン・W・スコット(荻野美穂訳)『ジェンダーと歴史学』(増補新版)、平凡社、2004年
おすすめの作品 映画「レ・ミゼラブル」(トム・フーパー監督、2012年)
主な著作・論文 『アンシアン・レジーム期フランスの権力秩序―蜂起をめぐる地域社会と王権―』有志舎、2017年12月
『グローバル経済史にジェンダー視点を接続する』(共著、担当:「18世紀フランスにおけるプロト工業化とジェンダー」)日本経済評論社、2020年9月
『はじめての人文学―文化を学ぶ、世界と繋がる―』(共編著、担当:「フランス革命前後の主権のあり方を考える―歴史学からのアプローチ―」)知泉書館、2018年3月
「複合君主政と近世フランス―ヨーロッパ近世史研究とフランス近世史研究の接続の可能性―」『北海学園大学人文論集』 62号、121―138頁、2017年3月
「最先端にある女性史」 (特集 第22回国際歴史学会議済南大会)『歴史学研究』943号、39―43頁、2016年4月
「二宮史学の批判的継承に向けて―戦後歴史学・政治文化論・ジェンダー―」『歴史学研究』931号、20―28頁、2015年5月