日本語のエキスパートを育成する学科

日本文化学科。それは、日本文化を理解するために必要な古典や歴史資料に通じた日本語のエキスパートを育成する学科でもある。日本文化学科では、さらにグローバル化時代に対応し、国際語である英語をはじめ、中国語・韓国朝鮮語・ロシア語などを身につけ、アジアをはじめとする世界の国と地域に日本文化を発信していく人材を育成する。

日本文化学科で何を学ぶのか

日本文化学科とは

温暖湿潤な気候風土によって豊富な水資源と森林資源に恵まれた日本列島で、縄文・弥生時代に大陸から伝わった水稲耕作を社会の基軸とし、古代から中世にかけて中国文化を、近代以降に欧米文化をそれぞれ受容することで、豊かな発展を遂げてきた日本文化。このように「開かれた構造」を持つわたしたちの文化に現在、世界の注目が集まっています。人間とその活動の所産である文化を研究対象とする人文学部で日本文化を学び、自然と他者との共生を可能にする21世紀の文化=「新人文学」をわたしたちと一緒に創造してみませんか?

わたしたち日本文化学科は、平成5年に創設された人文学部の基本理念である「新人文主義」の立場から、言語学・文学・哲学・歴史学・文化人類学などの人文基礎学に基づく人間に対する深い理解と、自国の文化についての専門知識に裏づけられた知的洞察力を身につけ、北の大地・北海道と日本の文化創造を担うとともに、グローバル化した国際社会に広く雄飛しうる人材の育成を目指しています。

「言語文化」「思想文化」「歴史文化」「環境文化」の四つの科目群

人文学部では、平成26年度より新たなカリキュラムが実施されています。新カリキュラムは、一般教育科目と専門教育科目からなり、日本はもとより、広く海外を視野に入れた科目群を展開しています。

このうち一般教育科目は、主として、世界の言語と文化を学ぶことを目的とし、英語・ドイツ語・フランス語・ロシア語・中国語・韓国朝鮮語の6カ国語が選択可能な〈基盤科目〉と、人文・社会・自然科学にわたる幅広い学修をとおして人間理解を深め、専門を学ぶための基礎を固める〈教養科目〉によって構成されています。

また専門教育科目は、「言語文化」(言語・文学)「思想文化」「歴史文化」「環境文化」の四つの科目群と、学生が主体的に学び、かつ自ら研究を行う「演習」「卒業研究」、グローバル化した国際社会で広く活躍するため、国際語としての英語のより高いコミュニケーション能力を身につける「英語」で構成されているのが最大の特色で、多様な視点から日本文化を総合的に理解し、世界に発信していく人材の育成を可能とする科目編成がなされています。これらの科目群は、「基幹科目」を柱とし、「導入科目」「基礎科目」「展開科目」と段階的に編成されていることから、学生の知的成長に合わせて広く深く、かつ体系的に日本文化を学び、研究することができる仕組みになっています。さらに、英米文化学科が併設されている強みを生かし、ヨーロッパやアメリカの文化について学ぶ専門科目が履修可能であるだけでなく、アイヌ文化や中国・韓国、さらには東南アジア・オセアニアなどの文化を視野に入れた授業科目を設定することで、日本文化の独自性と普遍性を総合的に理解できるカリキュラムとなっています。

日本文化学科では、以上のような新カリキュラムと、学生の主体的な学びをとおし、わたしたちを生み育てた日本文化を担うとともに、これを異なる文化をもつ海外の人々に発信し、世界の文化創造に寄与する人材の育成を目指しています。

演習でフィールドワークも取り入れ、日本文化を追究

新カリキュラムでは、1年次の前期に「人文学基礎演習」で、大学で学ぶ基本的スキルを、後期に「日本語文章表現演習」で論文作成のためのアカデミック・ライティングをそれぞれ身につけ、この基礎学力を土台に、さらに2年次の「人文学演習」で自己の問題関心を学問的な課題設定に高め、3年次に学科別に開講される専門演習の選択につなげます。3年次の「日本文化専門演習」では、自らが専門と志す「言語文化」「思想文化」「歴史文化」「環境文化」の各ゼミに所属し、日本文化について深く学びます。ゼミとは、担当教師の指導の下、学生が少人数制で研究発表や討論を行うことをとおし、互いに切磋琢磨して学んでいく授業です。最終年次にあたる4年次には、このゼミにおける成果をふまえ、大学4年間の学修の集大成として、小説などの創作も含めた「卒業研究」をまとめます。

また、日本文化を実地に学ぶ機会としては、2年次に課外学修課目として「日本文化特別演習」が開講されます。この演習は、京都と奈良におけるフィールドワークをとおして日本文化の原点を探る授業です。