第22回人文学の挑戦
『麻雀の誕生』を語る
世界各国で遊ばれているマージャン・ゲーム、それ自体は、中国ギャンブル・ゲームのきわめて長い歴史上で、比較的最近(といっても150年あまり前)に生まれたものです。したがって、19世紀後半というその誕生の時代背景から、ちょうど東アジアの「前近代」と「近代」のはざまを、ゲームのさまざまな側面に見ることができるのです〔第1章〕。同時に、これほどのゲーム・システムがある日突然に誕生したはずはなく、まちがいなく先行する各種の遊戯法と、それらの底流にある伝統的なものの考え方が、マージャンの道具や遊戯法に継承されているのです〔第2章〕。以上の2点について、目に見える具体的な例を示しつつお話しいたします。
そして最後に、どうやってその中国の伝統遊戯を日本人がたしなむようになったのか、その経緯についてもいささかご紹介したいと思います。大清帝国から中華民国へと国の形が大きく変わっていったその時代、大陸に身をおいた日本人たちのさまざまな姿が見えるはずです〔第3章〕。
日時 | 2019年11月3日(日)15:00~16:30 |
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場所 | 紀伊國屋書店札幌本店1Fインナーガーデン |
講師 | 大谷通順(人文学部日本文化学科教授) |