第9回人文学の挑戦

「源氏物語の生霊―葵の上に取り憑く六条御息所―」

あれは葵の上だったのか、六条御息所だったのか、はたまた源氏が見た幻覚だったのか――危篤状態の葵の上の枕元に源氏が近づくと、白い御衣に長くたっぷりとした黒い髪を添えて、懐妊中とてお腹を高々として臥した葵の上の美しいこと。源氏をじっと見つめてぽろぽろと涙をこぼす葵の上に対して、源氏は愛しさを感じずにはいられません。と、その時、葵の上が豹変して「こんなふうにやってくるとは思いもしませんでした。物を思う人の魂は体からさ迷い出るものだったのですね」と言うではありませんか。それはまさしく六条御息所その人の声と気配だったのでした。――源氏物語の葵巻、葵の上に取り憑いた六条御息所の生霊を源氏が見てしまう場面です。詳しく解説しながら原文を読んでいきます。

日時 2016年4月16日(土)15:00~16:30
場所 紀伊國屋書店札幌本店 1Fインナーガーデン
講師 井野葉子(日本文化学科教授)
「源氏物語の生霊―葵の上に取り憑く六条御息所―」